身代わり婚約者との愛され結婚
 改めて身代わりじゃないことを強調されると、少しの罪悪感と、そしてそれ以上に私こそレヴィンと本物の夫婦になれたという喜びがじわりと胸の奥に広がった。


「柄にもなく浮かれてしまってるんです。どれだけ俺がこの日が来ることを待ち望んでいたか」
「レヴィン……」

 しみじみと確認するようにそう呟いたレヴィンが、そのまま私を抱き寄せる。

 ぎゅ、と彼の腕に閉じ込められた私はその温もりに包まれて、何故だか少し泣きそうになった。
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