身代わり婚約者との愛され結婚

34.情熱的な、花言葉

 少しだけそのままでいた私たちは、今度はゆっくりと心ごと重ねるように唇を合わせた。


「ん、んっ」

 少し意地悪な触れ方だったさっきまでとは違い、ゆっくりと下から持ち上げるように揉みしだかれる。

 私の唇を食むようだったレヴィンからの口付けが、頬をくすぐり顎を伝って鎖骨を掠めた。

 
「んっ、それ、くすぐった……ひゃん!」
 

 私の鎖骨に軽く歯を立てたレヴィンは、そのまま更に下へ唇を動かし胸の上部へぢゅ、と強く吸い付く。
 チリッとした痛みが走り、吸われた部分に赤い痕が咲いた。

“ベッドに飾られた花みたい”

 何度も吸い付かれ、痕をつけられる。


「……ここは、もう既に赤いですね」
「え、んぁあっ」

 痕をつけるのに夢中になっていたレヴィンに、ずっと待っていた先端への刺激を突然与えられた私がビクリと体を跳ねさせた。

“ずっと焦らされてたから……!”

 ちゅぅう、と強く吸われながら口内でレヴィンの舌が何度も私の乳首を弾く。
 その刺激にまるで全身に電流が走ったように快感が巡り、じわりと下腹部が熱を孕んだことに気が付いた。


「ブーゲンビリアの花みたいです」
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