アンハッピー・ウエディング〜前編〜
雨間に光差す頃の章1
さて、中間試験も無事に終わり。

今度は、寿々花お嬢さんの誕生日祝いを翌々週に控えた今日この頃。

誕生日を祝ってあげる、と約束したのは良いものの。

それは別に良いんだけど。約束だからな。ちゃんと守るよ。

でも…寿々花さんの誕生日祝いって、何をしたら良いんだろうな?

とりあえず、誕生日ケーキは必須だろ?

他に何を用意しよう…。やっぱりプレゼントは必要かな。

プレゼントねぇ…。寿々花さんに誕生日プレゼント…。

…何を欲しがってるんだろうな?あの人。

ミカちゃん人形着せ替えセットとか?

本人にリクエストを聞いて、欲しがってるものを用意するべきなのか。

それとも、寿々花さんが好きそうなものを俺が選ぶべきなのか…。

難しいよな。人にプレゼントあげるのって。

ましてや、異性相手に。

世間の女子高生って、どんなプレゼントを欲しがるものなんだろう。

でも、うちの寿々花お嬢さんは…世間一般的な女子高生とは言えないからな。

何せ、誕生日を祝ってもらうのは初めてで。

高級な寿司やステーキより、ハンバーグ付きのオムライスに喜ぶような人だから。

どんなものをプレゼントしたら喜ぶのか、さっぱり検討がつかない。

そこで俺は、インターネットで調べることにした。

先人達の知恵を借りようと思って。

ネットを使って「女子高生 誕生日プレゼント」で検索し、色んなサイトを見て回ったのだが。

でも、出てくるのはバッグとか、アクセサリーとか、化粧品とか…そんなのばっかり。

最近の女子高生って、そんなもの欲しがるの?

そんなものって言ったら失礼かもしれないけど。

寿々花さんが、そういう装身具や化粧品を持ってるのは見たことない。

化粧してるところなんで、一度も見たことないよ。

そもそもうちの学校、化粧禁止じゃなかったっけ。

使わないものをプレゼントしても仕方ない…よなぁ。

あー、もう無理。考えても何も出てこない。

考えあぐねた俺は、翌日、仲間に相談してみることにした。
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