アンハッピー・ウエディング〜前編〜
…ところで。

誕生日のことは置いておくとして。

「あぁ、そうだ。寿々花さん、俺今度から毎週水曜日は、帰りがちょっと遅くなるから」

これを伝えておかないとな。

「?何で?」

「園芸委員の仕事があってな」

「園芸?悠理君、お花育てるの好きなの?」

それは誤解だ。

やりたくてやってんじゃないんだよ。あみだくじの結果だ。

「そうじゃないけど…。…寿々花さんは何委員やってんだ?」

「何もやってないよ?」

あ、そう…。

羨ましい限りだ。

女子部はひとクラスの人数が多いから、委員会活動が強制じゃないんだろう。

やりたい人だけやって、寿々花さんみたいに、やりたくない人は何の委員になる必要もない。

俺もそうだったら良かったのに。

「園芸委員に立候補するなんて、悠理君、ガーデニング男子なんだね」

「…立候補したんじゃないけどな…」

おまけに、不運なペア割りで、よりにもよって委員長と組まされてしまったから。

サボろうにもサボれないよ。
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