アンハッピー・ウエディング〜前編〜
何で、新入生であるはずの俺が、在校生のお嬢さんの心配をしてるんだ?

逆だろ、普通。どう考えても。

今日から新学期なんだぞ。忘れてたのか?

俺が言わなかったら、このお嬢さん。

新学期が始まったことにすら気づかず、多分四月の中旬くらいまでのんびりしてそう。

「良いから、制服に着替えてこい。そして朝飯を食べて学校に行け」

新学期早々サボリは、さすがに不味いだろ。

学校の準備全然出来てなさそうだけど、でも行かないよりマシだから。

丸腰でも良いから、学校には行っとけよ。

「そっかー。悠理君が行くなら、私も学校行こっかな」

俺が行かなかったら、あんたも行かなかったとでも言うのか。

「着替えてくるー」

「おぉ…。行ってこい」

今から着替えて支度するなら、遅刻の心配はないだろう。

さすがに、俺も学校までお嬢さんに付き合う訳には行かんからな。

新入生と在校生じゃ、集まる時間も違うし。

身の回りの面倒くらいは見るが、せめて学校のことは自分で管理してくれよ。俺にはどうにもしてあげられないからな。
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