「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 テラス席といっても、道路に雑然とテーブルや椅子を置いているだけである。だから、どこまでがカフェでどこからが道路なのかの判別が難しい。

「レディが多いですね。というか、男性はわたしだけのようです」

 テラス席から、店内の様子も見える。

 ジョフロワは、キョロキョロしながらつぶやいた。

「ここのカフェは、スイーツが美味しいのです。スイーツの種類は豊富で、しかもどれも大きくて安いのです」
「なるほど。それでしたら、世のレディたちの人気の的になるはずですよね」
「ええ、その通りです。あの、ジョフロワはスイーツは大丈夫なのですか?」

 初対面の際、彼はお土産にと希少なウジェの白葡萄酒を持って来てくれた。
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