「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「他国だから、だ。アムラン王国のその村や町の民たちは、訴えるところ、助けを求めるところを間違っている。まずは自分たちの領主、領主がクズならば地方役人や官僚、それがダメなら王都に求めなければならない。もしもきみがしゃしゃり出れば、政治的にアムラン王国につけ入る隙を与えてしまう。ジラルデ帝国は、癒しや加護の力を使って人心を掴み、操作しようとしているとな。アムランの医療技術は、わがジラルデ帝国より進んでいる。それに、流行り病に対して敏感だ。この問題は、きみの問題ではない。アムランの問題であり、かの国が対処すべきだ」
「そ、それは……」

 彼と出会ってから初めての長い台詞は、腹が立つほど冷静に、ぶっ飛ばしたくなるほど無表情で淡々と語られた。

 ああ、そうだった。最初のあの強烈な手紙も、長台詞で綴られていたっけ。

 とにかく、その初の長台詞は、頭からバケツの水を浴びせられたかのような衝撃を与えてくれた。
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