「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 背が高く、金髪碧眼。金髪は流れるようなロングで、うしろでひとつにまとめている。わたしの黒色の剛毛とは違い、金色の髪はやわらかそう。一瞬、獅子のたてがみを思い起こさせた。

 碧眼もまた、澄んでいてとてもきれい。わたしの無機質な黒い瞳と違い、あらゆる感情を碧眼だけで表現出来そう。

 その他のパーツは、言わずもがなである。

 とにかく、これぞ「美」なのが、彼女だと言っても過言ではない。

 まったく予期せぬフェリクスの愛人の来訪。観察は出来ても、体や頭はすぐには反応出来ないでいる。

 モルガンやマルスラン、ロマーヌとヴェロニクも彼女を遠巻きにして見ている。
< 215 / 294 >

この作品をシェア

pagetop