「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「病やケガを口実にすれば、きみならかならず行動を起こすと信じていた」
「そこまでバラしたのなら、いっそ告げてしまえ。真実を、な。なんなら、おれは馭者台に移ろうか? 馭者台は狭すぎるが、三人でもどうにか乗れるだろう」
「やめてくれ、エルキュール。ここにいていい。いや、いてくれた方がいい。アイと二人きりの方が、よりいっそう緊張してしまう」

 先程のショックが冷めていない。というか、ほとんど理解出来ていない。

 そのわたしの前で、ジョフロワはなぜか深呼吸をし始めた。
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