「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「彼らだけではありません。他にもアムラン王国人はいましたし、それ以外にも他国からの患者がいました」
「ええ。ジョフロワ、あなたの言う通りです。このジラルデ帝国は、アムラン王国も含め四か国と国境を接しています。病院には、そのいずれの国々の患者が入院しています。いいえ。入院患者だけではありません。わざわざ通院している患者もいます。とくにアムラン王国はこの領地からだと一番近いですから、その数も他国よりも多いのです」
「どうしてそのことを強調しなかったのですか? 同国人であるわれわれが援助をすべきだ、と」
「彼らは住んでいる国が違うというだけで、患者は患者です。ケガや病の人たちに同国人だとか他国の人だからという観念はありません。あなた方がその為に援助をしなければならないということはないでしょう? だから、そのことを振りかざして援助を強要するつもりなどないわけです」
「アイ、あなたという人は……」
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