黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
第五章 聖女の気持ち
「ウィリアム殿下とは仲直りされたようですね。いや、とても仲睦まじく、サクラと共に美しい光景でした」

「桜と共に?」

「ええ。今まで数ヵ国を巡りましたが、この王国でしか見たことがない、あのサクラの大木まで行こうとしたのです。ですが、流石にあの雰囲気のお二人の近くには行けませんでしたよ」

「そ、そうでしたか…」

この間の二人でお花見をしていた時のこと!?
いつ見られてたの!?
恥ずかしくて顔に手を添えて俯いてしまう。

「先日は巻き込んでしまって申し訳ございませんでした」

ダニエル殿下の後ろに隠れてしまった時のことをお詫びする。

「ハハハ!普段は冷静なウィリアム殿下があのように感情を出すとは。美しい人が怒ると迫力がありますね」

確かに怖かったわ…。

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