黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「……本当にあの方は聖女様なのでしょうか?」

シャレー侯爵夫人は悔しそうに呟いた。

「自分の頬の黒い傷でさえ治せないではないですか!」

「……それこそ公にしていない情報なのですよ。部屋から出ることもできなかった実桜様の傷がどこにあり、黒い傷痕となっているかは。そしてまだ完治していないとなぜあなたはご存知なのでしょう?」

「ッ!!」

「私の大切な婚約者を傷つける者も許さない!」

「ウィリアム殿下!例の物を発見しました!」

「拘束しろ!」

「なっ!私は何もしていないわ!離しなさい!」

騎士がシャレー侯爵夫人を拘束すると逃れようと暴れだした。

「こ、これは!どういうことだ!?」

状況が飲み込めていないシャレー侯爵は困惑している。

「夫人と親しい隣国の外交官は先程拘束しましたよ。特別な存在である聖女様に関しては外交特権は何もありません。もう諦めたらいかがでしょうか」

「ッ!!」

「あなたが雇った盗賊達はすでにこちらの手中にあります。むしろ聖女様の癒しの能力によって不治の病が治ったそうで、聖女様にお詫びをしたいとあなたの情報を流してもらいましたよ」

強気の態度が崩れ、顔が青ざめていく夫人。


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