黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
優しい暖かな光が当たっているのを感じる…。

……朝?
なんだかとても眠くて起きられない。
どうしてだろう。
今日はこれからまた仕事なのに…。
それに、このベッドはこんなに眠り心地が良かったかしら?
いつまででも眠っていられそうだわ。


「……なんて美しい」


誰かの声が聞こえた。
でも私はこの声を知っている。
ずっと前から聞いたことがある声…?

私はそっと瞼を開いた。
優しい光が降り注ぎ、小さな薄いピンク色の花びらが舞っている。

「……さくら?」

そっと手を伸ばして花びらを掌に乗せる。

「可愛い…」

クスリと笑みを浮かべた。
すると掌にある花びらがパッと光輝やき、舞い落ちるたくさんの桜の花びらが風に乗ってフワッと舞った!

「えっ!?」

桜が!
まだ夢の中にいるような光景をしばらくぼんやりと見ていた。

天井に目を向けるといつもの私の部屋じゃないことに気づく。
白い石の壁で造られた部屋?
側面の壁には大きなステンドグラスがあり、そこから降り注ぐ陽の光がキラキラとしている。

驚いて上半身を起こそうとした。
でもなぜかすぐに起き上がれず、ゆっくりと身体を動かす。
すると黒く長い髪がサラリと胸の前に流れて…。

「嘘!?」

肩に掛かるくらいまでの長さの髪だったはずが、腰の辺りまでに伸びている!
それに服が違う!
パジャマを着ていたはずが、白い肌触りの良いドレスを着ている。

私の周りにはさっきの薄いピンク色の花びらがヒラヒラとたくさん落ちてきていて、いつものベッドではないものに私は寝ていたようだ。

よく見ると知らない場所…。
花びらが舞い落ちる中、呆然とする。

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