黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
どうやら皆が運んでくれていた大きなクッションか何かたくさん敷かれているみたい。
護衛のリック様とシエナ様、アーロ様の声も近くで聞こえる。
私は身体が固まっていて動けず、ウィル様の上着をギュッと掴んだまま。

「まさかこのようなことになるとは。しかもご自分からまず試されるなんて。寿命が縮みましたよ」

私の涙が止まるまでウィル様は黒髪を撫でながら優しく抱きしめてくれていた。
あれ? これじゃあ私の方が子供みたいかも。
でも手を離すことができない。

「さ、ミオ様こちらへ」

しばらくしてからシエナ様に声を掛けられたけど、私は首を振ってウィル様の上着をまた強く掴んだ。

「もう少しだけ…このまま…」

「ミオ様…」

ウィル様の少し驚いたような声がしたけれど、私はまだこの温もりに包まれていたかった。
なぜかこのままウィル様の声を近くで聞いていたいと思っていた。

そして力を使い過ぎてしまった私は、その温もりに包まれたまま眠ってしまった。


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