黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う

第三章 黒髪の聖女

今日は朝から慌ただしく人が行き交っている。
そんな中私は準備が終わり、本番を待つばかりの状態。

「ミオ様のお好きなお花のお茶でございます」

「あ、ありがとうございます…」

シエナ様が香りの良いお茶を淹れてくれた。
お茶を飲んで落ち着こうとしても、カップを持つ手が震える。

何があるかというと『聖女様のお披露目』だ。
先日の国王様達との話し合いから１ヶ月。
日を追うごとに、これが想像していたよりも大きな式典であることが分かった。
お披露目の式典には王族の方々はもちろん、友好国の要人や、王宮や各地域の政治的主要ポストを任されている人達、各地域の神殿長様達、国民の人達が集まる。
場所は神殿で式典が行われる際に使用している広場。
その広場にはいわば、ステージと広い客席がある。
そしてその広場が丘に面した所にあり、少し降りた所には人が集まれる場所がまだあるという。