14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「おつかれ。秋葉さん、もう終わり?」

 ハンカチで手を拭いていると、ふいに背後から男性がしてビクッと肩が跳ねた。

 ここにいるのは自分だけだと思っていたのでびっくりだ。

 振り返ると、西島部長が笑顔で立っていた。

「おつかれさまです」

 西島部長は以前の会社でセクハラした人じゃない。怖がる必要はないのだと言い聞かせて、ハンカチをポケットにしまう。

「秋葉さん、最近どうしたの? かわいくなったね。男としてはその姿の方がうれしいよ」

 笑顔がニヤニヤに変わっていき、心臓が縮む思いだ。

 以前の会社のセクハラ男とダブる。

 出入口のほうへ視線を動かすと、入ったとき給湯室のドアを開けたままにしていたが、今はピッタリ閉められていた。
 どうして……?

「し、失礼します」

 給湯室を出るには西島部長の横を通らなくてはならない。

「そんな急いで行かなくてもいいじゃないか。私ももう終わりなんだ。これから食事はどうかな。ふたりきりでね」

 たしか西島部長は妻帯者。妻帯者じゃなくてもふたりきりでの食事は非常識ではないだろうか。

「用事がありますので」

 ニヤニヤ笑いを崩さない西島部長の横を通ろうとしたとき、腕を掴まれて壁に押さえつけられた。

「やめてくださいっ!」

「食事くらいいいじゃないか。イメチェンしたのは男に飢えているからだろう?」
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