14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 西島部長の件を深く考えていたところへ、突然センターテーブルの上にあったスマホが鳴ってビクッと肩が跳ねる。

 今日、うっかりスマホを置き忘れていったのだ。

 急いでスマホを手にすると、着信はあやめだった。

「もしもし?」

《私。紬希、もう帰宅した?》

「うん。五分前くらいに着いたの」

 会話をしながら、壁時計へ視線を向ける。

 十九時三十分を回ったところだ。

《報告があって。私ね、家を出たの。で、テツヤと入籍したわ》

「ええっ、本当に!?」

 いつかは一緒になるだろうと思っていたが、すでに入籍したなんてと、大きな声が出て部屋に響いた。

《冗談じゃないわよ。忽那氏から父に破談の連絡がいって、父のためにお付き合いしていたけど、私は他に好きな人がいるからと言ったら激怒されてね。それで考えたの。いくら私とテツヤに腹を立てても、娘が入籍までした男性を陥れることはしないだろうって》

「たしかにあやめはお父さんから溺愛されているんだから、今は許せないけれど生活もかかっているし、変なことはしないと思う」

 以前、あやめがテツヤさんと付き合っていることがバレたら、テレビ局の出入りが禁止になるかもしれないと思案していたのだ。

《でしょ。もうすごく考えちゃったわよ》

 彼女は週末にテツヤさんのアパートに転がり込んだと話す。

「仕事は? 秘書課だと社長のお父さんと顔を会わせるよね?」
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