14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「んっ、おいしい。生き返る」

 そう言う私の顔をまじまじと見る大和さんは「クックッ」と笑う。

「どうして笑うの?」

「原因は、これ」

 大和さんが顔を傾けて、私の上唇を舐めるようにキスをして離れる。

「紬希がカフェラテを飲むたびに、癖になりそう」

 もう一度唇が重なった。

 啄むようなキスから、口腔内を探索され、どんどん深くなったとき、インターホンが鳴った。

「邪魔が入った。デリバリーだと思う。予定より早いな」

 大和さんは苦笑いを浮かべて、インターホンのパネルに近づいた。

 
 お蕎麦を食べてから、段ボール箱が積まれた部屋で片付けを始める。服は大和さんの寝室の隣にあるウォークインクローゼットにしまうが、細々としたものは七段あるチェストと本棚で収まりそうだ。

 しゃがんで段ボール箱から本を取り出そうとしたところで、うしろからふんわりと腕が回って抱きしめられる。

 大和さんの唇が頬に触れる。

「どう? 進んでる?」

「ふふっ、大和さんが邪魔をしなければあと二時間くらいで終わるわ」

「手伝ったら一時間か?」

 吐息が耳朶に触れて、鼓動が暴れてくる。

 誰にも邪魔されない空間でふたりきり。想像以上に甘い雰囲気が漂っていて、同居とはこういうものなのかと地に足がついていない感覚だ。

「い、いいよ。恥ずかしいし、大和さんは好きなことしていて」
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