14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「ええ。勉強が楽しくなったとうれしそうだったのよ。あ、もっと召し上がってくださいね」

 テーブルの上には大阪名物の箱寿司をメインに、煮物やポテトサラダ、唐揚げとエビフライが並んでいる。

「大和さん、ビールよりもウイスキーがいいかな?」

 父は一緒にお酒が飲めてうれしそうだ。

「いえ、ビールでかまいません」

 瓶ビールを持った父にお酌をされて、大和さんも同じく返している。

 会話も弾み、時間は瞬く間に過ぎていく。

 泊まっていくように勧める両親に、大和さんは「久しぶりの実家なので、積もる話もあると思いますので」と言って、呼んだタクシーに乗ってホテルに戻っていった。


 大阪から戻って翌週の土曜日に、大和さんの家へ引っ越しを済ませた。

 引っ越し業者が積んだ段ボール箱を見て、ふぅとため息が漏れる。段ボール箱はリビングにあるチェストに似た家具と本棚がある部屋に置かれている。

 家具などは処分したので荷物は思ったよりなかったが、この二週間が忙しすぎて疲れている。

「紬希」

 大和さんがドアのところで顔を覗かせる。

「カフェラテ入れたから、ひと休みしよう。引っ越し蕎麦のデリバリー頼んでいるから三十分くらいで来るはずだ」

 一緒に戻ると、彼はキッチンからふたつのカップを手にしてリビングルームのローテーブルに置く。

「ありがとう」

 彼の隣に腰を下ろして、温かいカフェラテを飲む。
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