14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「少し歩こうか」

「はい」

 車から降りて歩を進めると砂浜があり、レインボーブリッジが見える。

 忽那さんのあとを歩き、うしろ姿を観察する。

 彼は高身長でスーツ姿が似合っていて、うしろ姿だけでもイケメン度が伺える。

 私よりニ十センチ? 三十センチ近く身長差がありそうだ。

「スマホを出して」

 ふいに忽那さんは立ち止まり、スーツのポケットからスマホを出した。

「え?」

「連絡先を交換しよう。わからなければ連絡の取りようがないだろう?」

「……そうですね」

 バッグからスマホを出して、番号の交換をする。

 忽那さんの番号を登録し終えたとき、突然画面が切り替わってあやめの名前が画面に映し出され呼び出し音が鳴った。

 お見合いが終わったら連絡をする予定だったが、まだしていなかったので、どうだったか気になってかけてきたのだろう。

 忽那さんは誰からの電話か見えたようで、「出たら?」と勧めた。

「はい」

 スマホの通話をタップして耳に当てた。

『紬希! 気が気じゃなくて。今大丈夫?』

「う……ん、ううん」

『え? どっちなの?』

 私の返事があいまいで、あやめの声が当惑しているように聞こえた。

「ごめん。実はバレちゃったの」

『そっか。でも仕方ないわ。で、相手の反応は?』

 恋人のフリをするように言われていることを話すべきか……。

 迷っていると、耳に当てていたスマホが忽那さんに取り上げられた。

「あ!」
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