14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
彼はスマホのスピーカーをタッチしてから私に戻して口を開く。
「見合い相手の忽那です」
『く、忽那さん⁉』
はっきりとしたこういう状況じゃなければ聞きほれてしまいそうなくらいの中低音の声に、あやめが「ひゅっ」と息をのんだ姿が想像できる。
『ちょ、ちょっと! ずいぶん時間が経っているのに、一緒だなんて! 紬希を拉致しているんじゃないでしょうね?』
物騒な言葉が聞こえてきて慌てる。
「あやめ、拉致なんてされてないよ」
狼狽している私に忽那さんは楽しげに笑っている。
「そうかもしれないな」
「え?」
『もうっ! 紬希、周りに人がいるんなら助けを求めて!』
本気にした様子のあやめが焦っている。
「あやめ、本当に大丈夫だから」
「宮崎あやめさん、君の代わりを紬希にしてもらうことにしたんだ」
『ええっ⁉ 私の代わりに紬希と結婚を?』
忽那さんは余計に誤解されるような言葉を言って、楽しんでいるみたいだ。
「結婚じゃないわ。恋人のフリをするの。あやめ、こっちは平気だから、今夜電話で話すわ」
『本当に、本当? 大丈夫なのね? 身の危険はない?』
忽那さんへ視線を向ける。彼は口元を緩ませて肩をすくめる。肩をすくめるなんて日本人ではほとんどしないが、さすがニューヨークにいただけあって嫌味がない。
「ないわ」
なぜだか言い切れる。同じ会社の専務取締役だからだろうか……。
ううん、口では辛辣なことを言っているけど、態度は優しい。
きっぱりした口調にしたはずなのに、あやめはさらに怪訝そうに「本当に、本当に、本当に大丈夫なの?」と尋ねるので、忽那さんの手が伸びて通話を終わらされてしまった。
「見合い相手の忽那です」
『く、忽那さん⁉』
はっきりとしたこういう状況じゃなければ聞きほれてしまいそうなくらいの中低音の声に、あやめが「ひゅっ」と息をのんだ姿が想像できる。
『ちょ、ちょっと! ずいぶん時間が経っているのに、一緒だなんて! 紬希を拉致しているんじゃないでしょうね?』
物騒な言葉が聞こえてきて慌てる。
「あやめ、拉致なんてされてないよ」
狼狽している私に忽那さんは楽しげに笑っている。
「そうかもしれないな」
「え?」
『もうっ! 紬希、周りに人がいるんなら助けを求めて!』
本気にした様子のあやめが焦っている。
「あやめ、本当に大丈夫だから」
「宮崎あやめさん、君の代わりを紬希にしてもらうことにしたんだ」
『ええっ⁉ 私の代わりに紬希と結婚を?』
忽那さんは余計に誤解されるような言葉を言って、楽しんでいるみたいだ。
「結婚じゃないわ。恋人のフリをするの。あやめ、こっちは平気だから、今夜電話で話すわ」
『本当に、本当? 大丈夫なのね? 身の危険はない?』
忽那さんへ視線を向ける。彼は口元を緩ませて肩をすくめる。肩をすくめるなんて日本人ではほとんどしないが、さすがニューヨークにいただけあって嫌味がない。
「ないわ」
なぜだか言い切れる。同じ会社の専務取締役だからだろうか……。
ううん、口では辛辣なことを言っているけど、態度は優しい。
きっぱりした口調にしたはずなのに、あやめはさらに怪訝そうに「本当に、本当に、本当に大丈夫なの?」と尋ねるので、忽那さんの手が伸びて通話を終わらされてしまった。