ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
 中山さんはお風呂にお湯を張ると言って部屋を出た。
 ぐったりと横たわる私の横に松永さんは座って、私を労った。自分の気配に気づいた事も褒めた。

「この任務の時は中山がお前を守る。けどそれ以外の時は俺が、奈緒ちゃんを守るからね」

 そう言って優しく微笑む松永さんも痩せていた。頬がコケていた。乾燥した肌、落ち窪んだ目、荒れた唇。
 この先の任務に備えて準備したのは私だけじゃないんだと思った。

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