ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
第29話 チンパンジーとチャラ男と白い薔薇と
三月十三日 午前十一時二十分
私は今、須藤さんとデパートに来ている。
パパ活疑惑の謝罪パフォーマンスの対価は食事、プレゼント選びの対価はピアスなのだが、バレンタインのお返しとしてピアスの予算を二万にしてくれと交渉している。
「そんな上手い話がどこにある」
「ここに」
「無い」
須藤さんへ渡したチョコレートは二個入りで千円のチョコレートだった。三倍返しだから最低でも三千円の予算アップは見込めるはずだ。
「食事は無しにしていいですから予算二万にして下さい」
「腹減ってるんだけど」
「……自分で払うからいいです」
「そうはいかないだろ」
「諒輔さん、奈緒の一生のお願いを聞いて」
「引っ叩くよ?」
不貞腐れた私は眉根を寄せた上司のチンパンジーと一緒にジュエリー売り場に向かった。
私は今、須藤さんとデパートに来ている。
パパ活疑惑の謝罪パフォーマンスの対価は食事、プレゼント選びの対価はピアスなのだが、バレンタインのお返しとしてピアスの予算を二万にしてくれと交渉している。
「そんな上手い話がどこにある」
「ここに」
「無い」
須藤さんへ渡したチョコレートは二個入りで千円のチョコレートだった。三倍返しだから最低でも三千円の予算アップは見込めるはずだ。
「食事は無しにしていいですから予算二万にして下さい」
「腹減ってるんだけど」
「……自分で払うからいいです」
「そうはいかないだろ」
「諒輔さん、奈緒の一生のお願いを聞いて」
「引っ叩くよ?」
不貞腐れた私は眉根を寄せた上司のチンパンジーと一緒にジュエリー売り場に向かった。