ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
 二人がパンイチなのは私にとっては日常の風景だ。だが普段の二人はボクサーパンツなのに今日はブリーフ。目のやり場に困る。しかも蛍光ピンクだ。とても困る。
 ボクサーパンツなら気にならないのにブリーフはなぜ困るのかいろいろ考えたのだが、それを口にすると頭を引っ叩かれるだろうから言わないでいる。

「ブリーフもお持ちなんですね」
「うん、黒と赤も持ってるよ」
「松永さんは?」
「俺はこれだけ」

 派手なパンツは魑魅魍魎(クラブ)親玉(ママ)からプレゼントされたものだが、二人が自分で買うパンツは同じメーカーだ。
 ウエストゴムにブランド名の書かれたボクサーパンツなのだが、それは男女兼用の商品もあり、私も二枚持っている。

 床に降ろしてもらった私は体重計に乗った。
 その姿を蛍光ピンクのブリーフ一丁で腕組みしながら二人は眺めている。二人とも体をしっかり絞ってあってキレッキレだ。ナイス、バルク。

「どう?」
「うーん、七百、ですね」
「やった!」
「加藤、服脱げ」

 ――ストレートなセクハラ。

「良いですよ」
「ええっ!?」

 ――自分で言っておいてそれは無いだろう。

「見せても大丈夫な下着ですから」
「奈緒ちゃん――」

 ――あ、いけねっ!

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