ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ


「俺ロングアイランドアイスティー、お前らは?」

 松永さんは私たちが来るまでに数杯のカクテルを飲んでいたようだが、今注文したロングアイランドアイスティーはノンアルコールだろう。私が教えられたハンドサインと似たような指の動きをした。

 この状況でアルコールを注文出来る程、私の神経は図太く無い。だがここはバーだ。ビールかカクテルを注文せねばと思うが、頭が働かない。

「早くしてよ」
「はい、えっと、同じのをお願いします」
「かしこまりました」

 バーテンダーの望月さんは灰皿を替えてカウンターへ戻った。

 そして、三十分間の説教タイムが始まった――。

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