ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
午後八時三十二分
私は今、衝撃に耐えている。
夜遅いからと、私を車で送るよう御両親が葉梨に言ったのだ。駅を挟んで徒歩二十分だし、走れば十分だし、そもそも私は警察官なのだか、御両親は女性だからと言って葉梨が送ってくれる事になった。
だがその車が、コレだ。ドイツ車の最上位クラスよりも高い国産車だ。私が三年働いても買えない車――。
「葉梨、これってハイブリッド車?」
「いえ、ガソリン車ですよ」
――エンジン音は、どこに、いった。
クラウンパトも公用車も高級車の部類だが、この車はレベルが違う。唸りを上げて坂道を登る実家のコンパクトカーが恋しい。
「葉梨、私は今日、身の程を知った」
「んっ!?」
私は今、衝撃に耐えている。
夜遅いからと、私を車で送るよう御両親が葉梨に言ったのだ。駅を挟んで徒歩二十分だし、走れば十分だし、そもそも私は警察官なのだか、御両親は女性だからと言って葉梨が送ってくれる事になった。
だがその車が、コレだ。ドイツ車の最上位クラスよりも高い国産車だ。私が三年働いても買えない車――。
「葉梨、これってハイブリッド車?」
「いえ、ガソリン車ですよ」
――エンジン音は、どこに、いった。
クラウンパトも公用車も高級車の部類だが、この車はレベルが違う。唸りを上げて坂道を登る実家のコンパクトカーが恋しい。
「葉梨、私は今日、身の程を知った」
「んっ!?」