【SS集】きゅん、集めました


 聞きながらこっちに来た千晃は、わざわざ私のとなりに座って、嫌味ったらしくソファーの背もたれに腕を引っかけた。

 領域侵害(りょういきしんがい)をしてくるのはいつものこと。




「まーた甘ったるいのか」


「そうです、わかったら好きなとこ行って、甘いもの苦手な人?」


「へぇへぇ」




 足まで組んで、どこかに行く気配はまったくない。

 しょうがないから、私は千晃を無視してマグカップに口をつけた。


 とろり。濃厚(のうこう)な甘さが口いっぱいに広がって、「んん~」と思わず歓喜(かんき)の声がもれる。

 ここが天国だ。




美味(うま)そうに飲むな」
< 32 / 34 >

この作品をシェア

pagetop