【SS集】きゅん、集めました
ふ、と笑いながら私をながめる視線に横目で気付いて、ドキッとする。
まずいまずい。
こいつはただの遊び人、遊び人。
ときめいたって純情をもてあそばれるだけなんだから。
「美味しいもの」
すこし速くなった鼓動を隠してつんと言えば、手のなかのマグカップをうばいとられた。
「あ、ちょっと!」
追って千晃を見たときには、流れるようにホットチョコレートを飲んでいて。
「んぐ…」
人の好物を取ったあげく、顔をしかめるってどういうこと!?
「甘いのきらいなくせに、なに飲もうとしてんの!もう、返してよ」
手を伸ばせば、千晃は大人しくマグカップを返す。
勝手に自滅した人は放っておいて、またホットチョコレートを飲もうとしたら、間接キスという言葉が頭によぎってしまった。