視界に、火花が散る。
見覚えのある顔
前の席の(ゆい)の話をいつものように聞いていると、ふいに俺と唯の名前を呼ぶ声が聞こえた。


夏月(なつき)! 唯! 大ニュース! 大ニュースだ!」

「なに~? (じん)くん朝からうるさーい」

「……なに?」


俺と唯の横に駆け込んできた迅に目を向ける。


「お前ら相変わらず冷めてぇなぁ!」

「迅くんがうざいのが悪いんだよ。てか泣き真似きも」

「うぅ……唯はさぁ! 顔がかわいいんだよなぁ! 自分の危ない扉を開けちゃいそう」

「なんの話? てかきっも。迅くんきっも」


うるさ……。

毎日同じようなやり取りをしてよく飽きないよな。

思わず呆れてため息をつく。


「ほら~夏月くんもため息ついちゃってんじゃん!」

「なっ! 夏月~お前は俺の味方だろ?!」

「なんの話だよ」

「ひっでぇ~!」
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