王家の影はポンコツ令嬢!はじめての任務で×××
これはまさしく正真正銘のー⋯


「⋯触れるっていうのは、こういうことだよ?あ、今のは教えるためだからノーカンね」
「の、ノーカン、ですの⋯!?わ、わかりましたわ。教えるためでしたものね⋯」

“確かに頭を撫でるのと唇同士の口付けは違いますものね⋯”

父や兄だって頭は撫でるが、唇への口付けはしない。
確かに頭を撫でただけでは彼が女性に目がなく簡単に触れたりするとは断言できないだろう。


「納得しちゃって不安⋯じゃなくて、嬉しいよ」

少し困ったように眉を下げて笑う彼はやはり少し可愛らしい。


「この魔道具はね、女性を気持ちよくさせるものだよね?」
「えぇ!胸の先がきゅうきゅうして、下腹部が熱くなってしまいましたわ」
「⋯ンッ!!んん、そ、そうだね」
「?」

自分で聞いたくせに恥ずかしそうに目を逸らされて不可思議に思う。

“確かに、女性を気持ちよくさせる道具を使って気持ちよくさせたのに照れるってのは⋯”
「童貞っぽいですものね」
「⋯うっ、え?突然辛辣になるね⋯?」


こほん、と咳払いをした彼は私の前に人差し指をぴっと立てて。
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