王家の影はポンコツ令嬢!はじめての任務で×××
「⋯クリスティナ、お前の指名で依頼が入った」
「!!!」

お父様の執務室に呼ばれ、言われたその一言に私のテンションは急上昇しー⋯

“いけないわクリスティナ!!浮かれているとバレては役目を外されてしまいます!!ここは冷静を装うのですっ!”
「いえっ、元々冷静ですけれどもねぇっ!!?オ~ッホッホッ!!」

まぁ笑うくらいはいいだろう、と堪えきれない笑いを令嬢らしく扇で隠しながらくすりと溢した。


「⋯声が漏れてる⋯」
「不安しかない⋯」


笑う私とは対照に、何故か項垂れる父と兄を見て首を傾げてしまう。

「⋯概要を説明する」
“それにしてもそっくりね”

明るい茶髪にアメジスト色の瞳。
それはダフネ家の色と言っても過言ではなく、目の前に並んだ父と兄の色合いは同じ。

「そして同じ血筋である私も同じ色ですのよ!」
「おかしいな、私は今概要を説明すると言ったのだが」
「まぁまぁまぁ!お父様!!何一つおかしくありませんの。同じ色を持つ私も、このダフネ家に恥じない影になれるという事ですから!!!」
「おかしいな」

完璧な理論を説明したが、何故か項垂れるお父様。
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