王家の影はポンコツ令嬢!はじめての任務で×××
ぼそりと何か聞こえ、ディーデリック様を見るが彼は先ほどまでと同じ笑顔を私に向けていて――⋯


「――ッ!?」

ナカに挿ったままだった魔道具が、ゆったりとした動きではなく、まるで性急に求めるよう私の奥をぱちゅっと突き思わず息を呑む。

「!⋯!?、!!?」

ゆったりとした動きの時は形を覚え込ませるようだったのに対し、突然激しく動き出した今度はまるで兄や殿下の前であられもない声色を溢れさせながら絶頂させたいようだった。

“た、だめよクリスティナ、今気持ち良くなったら私がどんな状況かバレちゃう⋯!”


そしてそれは、快感に耐えられないはしたない令嬢と証明することで。

“そんなの⋯ダメ⋯っ!”
「ディーデリック様に相応しくないと思われてしまいますわぁ~っ!?」
「んんッ!」
「?」

突然横で小さな咳払いが聞こえたと思ったら、魔道具の動きが一気に弱まりホッとする。
少し不思議に思いつつディーデリック様を見ると心なしか頬が赤く染まっており⋯


「⋯おい、ディーデリック⋯お前まさか⋯」
「なにか?」
「⋯妹君に賠償が必要ならいつでも請求するように⋯」
「ありがとう、ございます⋯」
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