愛を私にください 〜愛されたい姫〜
ー次の日の朝ー
「スーミレっ!♪」
ギュッと後ろから抱きついてきた神坂さん。
「神坂さん!おはよう!」
私がそう言うと神坂さんはむうっとほっぺを膨らませた。
「神坂じゃなくて玲香(れいか)って呼んで!」
か、かわいいいっ‼
「うん!玲香!」
二人で話していると突然後ろから
ギュッ…。
誰かに抱きしめられた。
「音夢!どうしたの?」
音夢が甘えてくる。
「なんか、スミレをとられたみたい…。」
か、かわいいっ…!
うぬぼれ…かもしれないけど
嫉妬?
なわけないか…。
「えー!神坂さん美人なのになんですみれちゃんといっしょにいるのお?」
この甘ったるい話し方
…「礼美。」
あなたは、
また私を邪魔しようとするのね…。
また、私は一人になるの…?
「悪いけど私はスミレが噂みたいにあんたをいじめてるとは思えない。」
玲香…。
この子はどこまでいい子なんだろ…。
「僕もそう思う。ホントはそっちがいじめてるんじゃないの?」
音夢まで…。
「っ!みんなして何なの!私をいじめて楽しいの⁉」
礼美が目に涙を浮かべてそういった。
いや、どう考えても話しかけてきたのそっちだからそっちが悪いじゃん。
おめでたいやつね。
「あんた!言わせておけば…っ‼」
玲香が我慢の限界だと言わんばかりに礼美に言った。
「いいよっ!玲香や音夢がかばってくれただけでも嬉しいから。」
これは本当。
私の周りはいつも王塁に媚を売りたい人たち、音夢や雄心、亜嵐、直樹に気に入られたいだけの人たちだった。
でも玲香は違う。
私が王塁の元姫だってわかっても仲良くしてくれてる。
私は、なんて幸せなんだろう。
ありがとう、王塁。
あんたらが裏切ってくれたおかげでこんなにいい友達に出会えたよ。
ふふっ。礼美はホントの愛情、友情をわかっていないんでしょうねえ。
かわいそ…。

私は絶対、
幸せを手に入れる。

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