すばらしき男たち(1話完結)
俺たちは店を出た。
駅前のロータリーに選挙カーが停まっていた。
選挙カーの上で20代の若い男が必死に訴えていた。
垂れ幕には
「男性にも権利を!」
の文字。
「みなさん、特に男性の皆さん! あなたは差別されていると思いませんか? 毎日、一生懸命働いているのに、なんで自分の生活は豊かにならないんだろうって。なんで女性ばかりが優遇されるんだろうって……」
「勉強をして頑張って、会社にもなんとか就職して、夢を持って働き出した筈なのに。1年も経つと自分の境遇に落ち込んでいませんか? 女性は期待されているのに自分は期待されていないんだと。女性の上司は女性ばかりひいきして自分を相手にしてくれないと」
「女性からは気がきかない人、女の気持ちがわからない人と言われて。飲み会の席では女性からいじられ酔わされた挙げ句、何か芸を強要されたり、楽しく場を盛り上げるために道化のように振る舞ったり。自分は疎外されていると思ったことはありませんか?」
「頑張って働いても給料は上がらず周りの女性社員にどんどん先をこされて。大事な仕事は女性社員に取られて。『やっぱり男は……』と言われて、くやしい思いをしていませんか?」
「私が変えます!」
「女性が優位なままの社会を変えます! 労働環境も、社会保障も、子育ても。子供を産むことができない男にだって権利があります! つらいことはつらいと言いましょう!」
「男性の皆さん、私と一緒に闘いましょう! この女性優位の社会を変えていきましょう!」
駅前のロータリーに選挙カーが停まっていた。
選挙カーの上で20代の若い男が必死に訴えていた。
垂れ幕には
「男性にも権利を!」
の文字。
「みなさん、特に男性の皆さん! あなたは差別されていると思いませんか? 毎日、一生懸命働いているのに、なんで自分の生活は豊かにならないんだろうって。なんで女性ばかりが優遇されるんだろうって……」
「勉強をして頑張って、会社にもなんとか就職して、夢を持って働き出した筈なのに。1年も経つと自分の境遇に落ち込んでいませんか? 女性は期待されているのに自分は期待されていないんだと。女性の上司は女性ばかりひいきして自分を相手にしてくれないと」
「女性からは気がきかない人、女の気持ちがわからない人と言われて。飲み会の席では女性からいじられ酔わされた挙げ句、何か芸を強要されたり、楽しく場を盛り上げるために道化のように振る舞ったり。自分は疎外されていると思ったことはありませんか?」
「頑張って働いても給料は上がらず周りの女性社員にどんどん先をこされて。大事な仕事は女性社員に取られて。『やっぱり男は……』と言われて、くやしい思いをしていませんか?」
「私が変えます!」
「女性が優位なままの社会を変えます! 労働環境も、社会保障も、子育ても。子供を産むことができない男にだって権利があります! つらいことはつらいと言いましょう!」
「男性の皆さん、私と一緒に闘いましょう! この女性優位の社会を変えていきましょう!」