転校から始まる逆ハーレム(本人に自覚なし)
「梨奈にずっと黙っていて本当に悪いと思ってる。でも少し聞いてもらえないか?」
神妙な様子のお父さんが心配になる。
「どうしたの?」
「今、交際している人がいるんだ。とても優しい人で梨奈のことも気にかけてくれている。前、クッキーを持って帰ってきたことがあっただろ?あれもその人…日和さんの作ったものなんだ。」
お付き合いをしている人がいるんじゃないかなって前からちょっと思ってた。やっぱりそうだったんだ。でもお父さんが会っているのは週末に私が遊びに行く時とかしか会社以外で会っていないこともなんとなくわかってる。きっとその人もいい人なんだろう。
「梨奈が嫌ならそんなことはしないんだが…日和さんとは結婚も考えている。彼女にも息子がいて男の人が苦手な梨奈には辛いだろう。その上、結婚するなら引っ越して転校もすることになる。梨奈が無理だったら、このままお付き合いの関係で居たいと思う。ただとりあえず一度だけあってもらえないか?」
お父さんは気まずそうだったけれど、私は嬉しかった。
それはつまり私にお母さんができるってことかもしれない…!
「うん!会ってみる!」
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