花縁~契約妻は傲慢御曹司に求愛される~
「依織、ちょっとだけお風呂待ってくれるか?」
ふいに依玖さんが腕の中の依織に話しかけると、息子は不思議そうに首を傾げていた。
依玖さんはほんの少し眦を下げ、息子を抱き上げたまま寝室へと向かい、すぐに戻って来た。
「どうかしたの?」
不思議な行動を思わず問いかけると、依玖さんは依織をゆっくりとリビングのプレイマットが敷かれた場所に下ろした。
「依玖さん?」
「逢花、結婚式を挙げよう」
ふたりに近づいた私に向き直り、彼が両手で私の左手を包み込んだ。
結婚式?
唐突な提案に理解が追いつかず、瞬きを繰り返す私の目を覗き込んだ彼が相好を崩す。
「出産して一年も経っていないし、体調が妊娠前のようにはまだ戻りきらず、育児も家事も大変なのはわかっている。今すぐじゃなくていい。ゆっくり三人で準備をして温かな挙式を行いたいんだ」
真摯に語る姿に思わず息を呑んだ。
「仕事復帰の日が近づいていて今後忙しくなるのもわかっている。なにもかも全部逢花に任せるつもりはない」
幾つか式場の候補は見繕ってある、と照れくさそうに口にする依玖さんに心が震えた。
ふいに依玖さんが腕の中の依織に話しかけると、息子は不思議そうに首を傾げていた。
依玖さんはほんの少し眦を下げ、息子を抱き上げたまま寝室へと向かい、すぐに戻って来た。
「どうかしたの?」
不思議な行動を思わず問いかけると、依玖さんは依織をゆっくりとリビングのプレイマットが敷かれた場所に下ろした。
「依玖さん?」
「逢花、結婚式を挙げよう」
ふたりに近づいた私に向き直り、彼が両手で私の左手を包み込んだ。
結婚式?
唐突な提案に理解が追いつかず、瞬きを繰り返す私の目を覗き込んだ彼が相好を崩す。
「出産して一年も経っていないし、体調が妊娠前のようにはまだ戻りきらず、育児も家事も大変なのはわかっている。今すぐじゃなくていい。ゆっくり三人で準備をして温かな挙式を行いたいんだ」
真摯に語る姿に思わず息を呑んだ。
「仕事復帰の日が近づいていて今後忙しくなるのもわかっている。なにもかも全部逢花に任せるつもりはない」
幾つか式場の候補は見繕ってある、と照れくさそうに口にする依玖さんに心が震えた。