別れさせ屋に依頼をした私の結末

Side 01 ♢ マツヤマミナ ③

ファミレスの日から2ヶ月半が経った。

上手くいってないことを悩んではいるけれど、絶望を感じて涙を流すことがないのは、定期的にメッセージで繋がっているからだと思う。

放課後、日直の当番で職員室まで足を運んでいた私は、帰りの階段で窓の向こうに目を向けた。

「……終わっちゃった」

今日はテスト期間の最終日。私たちは一度も一緒に帰らなかった。

大樹は、今日からまた遅くまで部活。

この場所からじゃ、扉が開けっ放しになっている体育館の中までは見えない。

けれど、見なくても想像できる。

大樹は真面目だから、きっと、今はプレッシャーを感じて必死なんだと思う。

……彼が次の主将に選ばれたことを、バレー部の女子から聞いた。

仲がいい状態だったら、大樹本人から報告されていたのかな。私は、プレッシャーを感じている彼を励ますことが出来たのかもしれない。

「……行かなきゃ」

気持ちを切り替えて、教室へと急ぐ。

早く戻らないと、マチは寺尾たちも残っていることに困惑するかもしれないから。

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