別れさせ屋に依頼をした私の結末
──今日の昼休みも、私は寺尾たちとゲームをしていた。

マチにも声をかけたけれど、彼女はトイレを理由に教室を離れ、チャイムが鳴る頃まで帰ってこなかった。

最近の彼女は、あからさまなほど不満を表情に出す。多分、男子といることが気に入らないのだと思う。

私は、寺尾たちがマチとも仲良くしたがってることが嬉しくて、話すきっかけがあればと仲良くなる機会を待っていたんだけれど……。

“今日って、あと1時間で帰れるんだっけ?”

“うん、次のテストが最後だから”

ゲームをしながら寺尾の質問に答えていた。

今日は、5限目までで帰れる。いつもより1時間早く終わるだけなのに、すごく得をした気分だ。

“帰り、どっか寄って行かね?”

寺尾が、並木に放課後の話を振る。

マチと帰るつもりでいる私は、ふたりの話をただ聞いていただけだったのだが。

“せっかくだしさ、みんなでどっかに行かない? ほら、水城も誘ってさ”

並木は、私たちも混ぜて遊ぶことを提案してきた。

並木が言ってくるのは珍しい。これまで誘ってくるのは、寺尾だったから。

でも……。

“マチに聞いてみないと”

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