別れさせ屋に依頼をした私の結末
「……なんで」

いつから泣いていたのだろう。

楽しく遊んでいるだけだと思っていたし、神経衰弱はカードから目が離せないので、しばらく彼らから目を離していたのだけれど。

手で覆っているから、その表情は見えない。

けれど、彼女のそばには、遊ぶのをやめて見守る寺尾たちの姿があって……。

彼らの困った表情から、緊迫した空気が伝わってくる。


数分後、目の前にチーズケーキを乗せた皿が置かれた。

私は4階の様子を眺めながら、再び隣に腰かけた彼に告げる。明日話してみる、と。









< 56 / 247 >

この作品をシェア

pagetop