別れさせ屋に依頼をした私の結末
放課後を迎え、教室には私と美奈の姿だけ。

彼女はクラスメイトの大半がいなくなるまで、他の女の子たちと話していて、私はその様子をうかがいながらも窓際の自分の席にいた。

皆が帰ってから、美奈はこちらに向く。

結局一度も返事をもらえなかった。

それでも彼女は今、この教室に残っている。話す気にはなってくれたのだろう。

けれど、私と美奈の間には、横2列の机。

彼女は私の方を向いても、それ以上近づいては来なかった。

「昨日、ごめん……言い過ぎた」

もう一度謝った。

声をかけると、美奈はうつむいて、私から目をそらす。

「美奈、岡垣くんと喧嘩でもしてるの?」

これは昨日、家に帰ってから思っていること。

昨日までは、美奈は寺尾に惹かれ始めているのだと考えていた。

でも、ボーリング場で美奈は泣いていた。

もしかすると、ふたりは大きな喧嘩をしているのかもしれない。

そう考えると、腑に落ちる。並木が誤解だと言っていたことも、ふたりがテスト期間中も一緒に帰らなかったことも。

「もしそうなら、話してくれない? 私もできる限り……」

私もふたりが仲直りできるように協力するから。そう伝えるつもりだった。

だけど、美奈は顔を上げて声をさえぎる。「急に何?」と。

その表情はとてもかたくて、私に対して嫌悪感を抱いているように感じてしまう。

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