別れさせ屋に依頼をした私の結末
Card 10 ♥︎ キスノタイミング
「依頼達成の日まで、1日1キスね」
唐突な頬へのキスと、わけのわからないルールを突きつけられる。
「……“1日1キス”?」
どうしてその言動に至ったのか、全く理解できない。
困惑していると、キングは「あ、意味わかんない?」とたずねてきた。
うんとうなずけば、今度は、
「“毎日1回、俺とキスをする”ってこと」
略さずに、言葉を噛みくだいて説明してくる。
「っ、言い直さなくても言葉の意味はわかるよ! ……そうじゃなくて、なんでそんなことしなくちゃいけないの?」
的外れな返答に、眉根を寄せる私。
「“なんで”って……“依頼報酬”だから?」
「だから! なんでそれが依頼報酬なの!?」
「いいじゃん、こんなイケメンと毎日キスできるんだから」
「よくない!」
全然話が通じなくて苛立ちが募る。
感情的な物言いになっていることに気づいて、私はひと呼吸置いてから、もう一度言う。
「……嫌です。キスなんてしたくない」
キングは慣れてそうだし、キスなんて誰とでもできてしまうのかもしれないけれど。私にとってそれは、とても特別な行為だ。
好きになった人としかしたくないし、ましてや、初めてのキスには憧れだってある。だから、さっきの頬へされたことも、キスだと思いたくない自分がいる。
唐突な頬へのキスと、わけのわからないルールを突きつけられる。
「……“1日1キス”?」
どうしてその言動に至ったのか、全く理解できない。
困惑していると、キングは「あ、意味わかんない?」とたずねてきた。
うんとうなずけば、今度は、
「“毎日1回、俺とキスをする”ってこと」
略さずに、言葉を噛みくだいて説明してくる。
「っ、言い直さなくても言葉の意味はわかるよ! ……そうじゃなくて、なんでそんなことしなくちゃいけないの?」
的外れな返答に、眉根を寄せる私。
「“なんで”って……“依頼報酬”だから?」
「だから! なんでそれが依頼報酬なの!?」
「いいじゃん、こんなイケメンと毎日キスできるんだから」
「よくない!」
全然話が通じなくて苛立ちが募る。
感情的な物言いになっていることに気づいて、私はひと呼吸置いてから、もう一度言う。
「……嫌です。キスなんてしたくない」
キングは慣れてそうだし、キスなんて誰とでもできてしまうのかもしれないけれど。私にとってそれは、とても特別な行為だ。
好きになった人としかしたくないし、ましてや、初めてのキスには憧れだってある。だから、さっきの頬へされたことも、キスだと思いたくない自分がいる。