クールな君の甘さを知れば

「うん。ちょっと…じゃないかも。かなり気になってたの」



穂乃果ちゃんは心なしかソワソワし出して、興味津々、というのが伝わってくる。



お昼休みのこの時間は、他のところでもこういう話題が飛び交っているのかもしれないと思った。



「二人を見てると、少女漫画みたいだなって」



大きな二重の瞳をキラキラさせる穂乃果ちゃんは、いつもより楽しそう。



一方私は、正直おもしろくないわけで。



「しょ、少女漫画…?どこが……」



否定しようと思ったら、「全部!」って言われちゃってびっくり。



穂乃果ちゃんが大きな声を出すことなんてほとんどないし、私より本人の方が驚いてるみたいだった。



穂乃果ちゃんは少し咳払いした後、続けて話す。



「ほら…幼なじみで、家が隣同士で、美男美女でしょう?少女漫画みたいだよ」



そしたらまた変なワードが聞こえて、首をひねった。



「美男美女って……誰と誰のことを言ってるのかな?」



「それはもちろん、海琴ちゃんと九条先輩のことだよ?」



…………。



「…えっと、あのね。穂乃果ちゃんはいろいろ誤解してると思う」
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