クールな君の甘さを知れば

「もー、穂乃果ちゃんがしつこい……」



「あははっ、海琴ちゃんげんなりしちゃった。ごめんね?」



ごめんね、って言ってる割には嬉しそう…。



「穂乃果ちゃんこそ好きな人とかいないの?」



私ばっかり追求されたから、今度は穂乃果ちゃんの番だ。



上手くかわされるんじゃないかと思いつつ、ダメ元で聞いてみる。



「私の好きな人はね…」



え、教えてくれるの……?



まさかの反応に、ドキドキしながら待っていたら…。



「レン様だよ。ほら、これ」



真顔で見せてきたのは、カバンから取り出した一つのキーホルダー。



どんなキーホルダーかと言うと、アニメイラストっぽいアイドル衣装の男の子が、カッコイイ感じのポーズを決めてるようなもの。



「あ、もちろんガチ恋してるわけじゃないからね?ただただレン様が好きなだけで…」



何を否定しているのか分からず、戸惑う私にお構い無しで話し続ける穂乃果ちゃん。



「ちょ、ちょっと待って…?その、わかるように説明して欲しい」



「えっとね…」



説明を求めたら、なんだか色々と他のことも話されたけど…つまりはこういうことらしい。
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