クールな君の甘さを知れば【※表紙絵変更しました】

「その顔はなんでもないって顔じゃねぇだろ。…なにがあった?」



今は見て見ぬ振りして欲しかった…なんて、おかしいよね。



「ほ、ほんとになんでもないのっ。…ね、戻ろ?私、眠くなっちゃった」



おかしいのは百も承知。



それでもお願い…許して、なるちゃん。



お腹に積もったモヤモヤは、寝ればきっと治るから。



「私、1人じゃ迷子になっちゃうよ。いいの?」



「…わかったよ」



なるちゃんは首に手を回して困り顔。



さっきからころころ表情七変化。



困らせたいわけじゃ、心配させたいわけじゃないんだよ。



だから、せめて今の私から言えるのは…こんな言葉。



「へへ…ありがとう、なるちゃん」


いつどんなだって、私の気持ちを汲み取ろうとしてくれるなるちゃん。



そんななるちゃんだからこそ、誰よりも「ありがとう」を伝えたいんだよ。



「っ…ほんと、勘弁しろよ」



「え…っ?」



ボソリと聞こえたその瞬間、気づけばなるちゃんの腕の中にすっぽり収まっていた。



「…好きだから大事にしてぇのに、たまに抑えが効かなくなりそうになる」



「っな…なるちゃ、」



「海琴を…今すぐ俺のものにしたくてたまんなくなんの。…毎回、振り回してごめん」



「っ!!」



なるちゃんの弱々しい声が耳元に落ちる。
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