クールな君の甘さを知れば
「あ、海琴ちゃんおはよう〜。ってあれ?長谷川くんも一緒なんだ?」
教室のドアを開けたら、ちょうど穂乃果ちゃんが現れた。
「おはよう穂乃果ちゃん。長谷川くんとは偶然ばったり下駄箱で会ったんだよ。ね、長谷川くん」
私と穂乃果ちゃん、長谷川くんは出席番号の関係で案外席が近かったりする。
私の隣に長谷川くん、私の前に穂乃果ちゃんが座ってて。
みんなみんなご近所さん。
一緒に席まで移動しつつ、朝のおしゃべりがスタートした。
「そりゃまぁそうだけど…別に、そこまで偶然強調しなくてもいいじゃん…?」
偶然を強調…してた?
「…?そういうわけじゃないけど…特に変な意味はないから安心してね」
なんだか不服そうな長谷川くんにそう返したら、やっぱりまだまだムスッとしてて。
…何がそんなに不満んだろう。
今日の長谷川くんはよくわかんないな…って不思議に思ってたら、長谷川くんがちょっと真剣な顔をした。
「…もし俺と会ったことが運命とか言っても、古賀は否定すんの?」
「うん、めい……?」
言われたことの意味がちょっとわからなくって、すぐには漢字変換できない。