逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「騎馬隊だけなら速い。だが彼らが本体と離れて攻撃してくるだろうか。わが国を襲うなら分散して来ることはあり得ない」
それならばだ、と語調を変えた。
「人員と装備を揃えるのに数日かかるとして、奴らが王都に到達するのは十日後だ。だが不測の事態もある、敵の動向を知るため斥候の増員が必要だ。適任者を募るため各部隊長は・・」
声が熱を帯びていく。
指揮を執りながらアーロンの脳裏に浮かぶものがあった。
バッハスが来る動線上にソフィーがいる洞窟があるのだ。
だが洞窟は山の中腹で、バッハスは低地を進むはずだ。高低差で交わることはないはずだ。
そう思いながら、しかし一抹の不安がよぎった。
* * *
それならばだ、と語調を変えた。
「人員と装備を揃えるのに数日かかるとして、奴らが王都に到達するのは十日後だ。だが不測の事態もある、敵の動向を知るため斥候の増員が必要だ。適任者を募るため各部隊長は・・」
声が熱を帯びていく。
指揮を執りながらアーロンの脳裏に浮かぶものがあった。
バッハスが来る動線上にソフィーがいる洞窟があるのだ。
だが洞窟は山の中腹で、バッハスは低地を進むはずだ。高低差で交わることはないはずだ。
そう思いながら、しかし一抹の不安がよぎった。
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