逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
ア―ロンが苦笑しながら書斎に向かう。
と、その足が止まった。
「・・なんだ、だったらこうすればいいじゃないか」
仔細を聞いてリズが、
「なるほど、それは名案です。それなら明日にでもお式が出来ますね」
片や執事は、
「明日ですか。さすがにそれは」
「執事殿、善は急げですよ。私はすぐにもソフィー様をこのお屋敷の奥様にしてあげたいのです」
「はあ」
「お忘れですか、この間アーロン様が王宮から帰って来たときのことを。昼過ぎに部屋から出られたソフィー様に」
「申し上げてしまいました。お早うございますと」
「おまけに、朝食のご準備は出来ておりますと」
「あれは一生の不覚です。何という事をしてしまったのか。返す返すもソフィー様に申し訳なく」
大罪を犯したように恐縮している。
「それだと俺にもとばっちりが来そうだな」
苦笑した主に、
「いえ、そんなつもりでは」
「だが明日は無理だ。王宮に出向く用が出来たのだ」
さっきのシュテルツからの手紙を見せた。
「では明後日にいたしましょう。執事殿、それでよろしいですね」
「私に異存はございません」
言下に答えた。
* * *
と、その足が止まった。
「・・なんだ、だったらこうすればいいじゃないか」
仔細を聞いてリズが、
「なるほど、それは名案です。それなら明日にでもお式が出来ますね」
片や執事は、
「明日ですか。さすがにそれは」
「執事殿、善は急げですよ。私はすぐにもソフィー様をこのお屋敷の奥様にしてあげたいのです」
「はあ」
「お忘れですか、この間アーロン様が王宮から帰って来たときのことを。昼過ぎに部屋から出られたソフィー様に」
「申し上げてしまいました。お早うございますと」
「おまけに、朝食のご準備は出来ておりますと」
「あれは一生の不覚です。何という事をしてしまったのか。返す返すもソフィー様に申し訳なく」
大罪を犯したように恐縮している。
「それだと俺にもとばっちりが来そうだな」
苦笑した主に、
「いえ、そんなつもりでは」
「だが明日は無理だ。王宮に出向く用が出来たのだ」
さっきのシュテルツからの手紙を見せた。
「では明後日にいたしましょう。執事殿、それでよろしいですね」
「私に異存はございません」
言下に答えた。
* * *