逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 親子は青くなった。
『それが嫌なら・・そうですなあ、ラクレス隊の内部の情報を教えていただけますかな』

『・・! 内部の情報ですと? そんなことをすれば大罪だ、出来る訳がない』
 親子はあわてて帰ろうとした。

 しかし大男は出口をふさいだ。
 ナイフを振り上げてくる。

 仕方なしにラクレス隊の人員構成や配置場所を教えた。

 その日はそれで終わった。だが一つ提供してしまうとそれをネタに次の強請りが始まった。
 
 大男は駐屯地までやって来た。ギースの前に立ちふさがると、

『今日は折り入ってお願いしたいことがございましてね』
 と一枚の紙を取り出した。

『読んで下さい。我が主筋からの密書ですよ』
『みっしょ、だと?』 
 
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