逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
白い物体が外を見る。何を思ったのか彼らのあとを追って行く。
廃墟の外から再び悲鳴が上がった。
アーロンは呆然とそれを見ていた。
しかし部屋には娘が残っている、それに気付いて振り返った。
娘は顔を伏せて倒れている。
手をさし出すとすがりついてきた。おずおずとアーロンを見上げ、やがて目の焦点が合ってくる。
安心させてやろうと微笑んでみせた。
「アーロン様・・」
後から追いついた臣下だった。
彼らは棒立ちになっていた。目の前を不気味な白い物が通り抜けたからだ。
「ああ、まあ落ち着け」
わざとのんびり声をかけた。
「・・ひとまずこの娘を、そうだな俺の屋敷に連れて行こう。事情を聞くのはそれからだ」
ソフィーはまだ青い顔をしていた。
上着を脱いで、そっと着せてやった。
* * * * *
廃墟の外から再び悲鳴が上がった。
アーロンは呆然とそれを見ていた。
しかし部屋には娘が残っている、それに気付いて振り返った。
娘は顔を伏せて倒れている。
手をさし出すとすがりついてきた。おずおずとアーロンを見上げ、やがて目の焦点が合ってくる。
安心させてやろうと微笑んでみせた。
「アーロン様・・」
後から追いついた臣下だった。
彼らは棒立ちになっていた。目の前を不気味な白い物が通り抜けたからだ。
「ああ、まあ落ち着け」
わざとのんびり声をかけた。
「・・ひとまずこの娘を、そうだな俺の屋敷に連れて行こう。事情を聞くのはそれからだ」
ソフィーはまだ青い顔をしていた。
上着を脱いで、そっと着せてやった。
* * * * *