甘くて優しい、恋の香り。

その目が。

大切なものを見るような目で。

胸がキュンとした。



聡太先パイが、私が持ったままのジャージを手に取り、床に置いた。



「はい」
と、両手を広げる。



「え?」



意味がわからないでいると、聡太先パイはにこにこ笑ってこう言った。



「ジャージじゃなくて、オレがぎゅってしたい」



抱きしめられて。

心臓がドキドキしすぎて、痛いよ。

先パイからは、優しい恋の香り。





「好きだよ、安堂」
と、先パイが耳元でまた言ってくれたから、心の中に『好き』が溢れて、私はまた、泣いてしまった。












      ーーー完ーーー






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